酒のおはなし No.001 [2019.2.1]

日本ワインは次のステージへ


営業本部長の石渡です。ワイン、日本酒、焼酎、料理など幅広く情報をお伝え出来ればと思っています。
今回は、日本ワインについてです。 先日、日本を代表する甲州ワインを造る勝沼醸造さんの創業80周年のテイスティングセミナーに参加してきました。そこで待っていたのは、アルガシリーズの甲州ワイン3種、クラレーザ、モンテ、イセハラの2014年から2017年の水平垂直テイスティングでした。
勝沼醸造
水平テイスティングとは、同一の生産者や同一地域に限定してキュベや畑の違いを見るテイスティングです。 一方、垂直テイスティングとは、同一のキュベや畑のワインを年代別にテイスティングしてヴィンテージの違いや熟成具合、ポテンシャルを見ます。
この水平と垂直を併せたテイスティングは、ヨーロッパやアメリカを中心とする世界のトップワイナリーが開催することはありますが、日本のワイナリーでは初体験でした。 なぜなら、こういったテイスティングを開催するには、ブドウが収穫される畑の土壌や気候、味わいの違いなどがある程度研究解明されていることに加え、 ワインが熟成に耐えられるポテンシャルを持っていないとセミナーが成り立たないからです。
勝沼醸造
日本ワインは、ここ10年から20年の間に技術や設備の発達、醸造家の海外研修、ワイン人気もあり品質的にも大きく向上し、 欧州ワインコンクールでの入賞や高得点など世界のワインと比べても引けを取らないところまでやって来ました。 そして畑名ないし地域名を記してテロワールを表現するワインやワイナリーさんも多くなってきました。 鳥居平畑、イセハラ、明野、フェルミエ、ファンキーシャトー、平川ワイナリーetc. ただヴィンテージにまで踏み込んで表現できるワインは、 まだまだ数少ないのが現状だと思っていましたが、勝沼醸造さんのセミナーでその考えを覆させられました。 年ごとの最高気温や雨量の推移、ワインの酸度やPH分析データなどを基に説明があり、栽培地区の特徴、ヴィンテージの特徴が見事に表現されていました。
2014【収穫日に左右された年】2月に大雪、夏に雨が少なく9月まではグレート、10月に雨が降り、雨前までの収穫は◎
2015【水の多い年】凝縮に欠ける、7月、9月に多雨
2016【病気の年】8月までは雨少なく8月多雨から病気発生、糖度上がらず
2017【近年最高の年】涼しく少雨、最高気温が上がりすぎない、酸がきれい

いくつかコメント・・

<2014年 アルガブランカ・クラレーザ>
僅かに熟成からくるブラウンをおもわせる複雑味はありますが、柑橘果実や白い花の香りが残っており、ミネラルや心地よい酸味を全体に感じる、想像よりも遥かに若い印象。

<2017年 アルガブランカ・イセハラ>
白い花や柑橘果実、白桃、梨、11.2%というアルコール度数の低さ感じさせない程の充実したボディ、綺麗な酸味。熟成も楽しみなヴィンテージ。


このセミナーを受けて・・

日本ワインもワイナリー名やワイン名だけでなく、ヴィンテージを追い求める次ステージに入ってきたと実感させられる機会でした。 1985年のロマネコンティ、2000年のシャトー・ペトリュス、2017年のアルガブランカ・イセハラのように。

勝沼醸造

石渡 敏 石渡 敏 [株式会社横浜君嶋屋 営業本部長] 
仏料理店コートドールの調理場、サービスを経て横浜君嶋屋に勤務。
営業全般の統括。酒ディ プロマ取得。